715系1000番台　グリーンライナーの歩み  〜誕生からJRへ〜 (解説 かねこさん）

1985年３月14日のダイヤ改正に伴う東北（仙台）地区の客車列車の電車化のために、向日町区で余剰となった581・583系の改造車が投入された。すでに九州地区で使用されていた715系を寒冷地仕様にした715系1000番台である。グリーンライナーの愛称が与えられ、ダイヤ改正前から順次営業運転に投入された。   ここでは仙台地区への登場から、JR への移行にかけての715系1000番台の歩みを写真で追ってみた。

１）「登場」84.10.5　仙台

仙台駅荷物ホームに留置されたクハ715　1103　の編成。クリーム色１号に緑色14号の帯。現在のグリーンライナー塗装のルーツである。

この貨物ホームも今はなく、跡地は「ヨドバシカメラ仙台店」となっている。

利府の電留線に集結した715　1000番台。　まだ営業用の編成になっておらず、このクハ715　1006は一の関方を向いている。
当初、特急エンブレムが残っていた物もあったが、営業時にはなくなってしまった。

旧型客車との出会い。両者が同じ線路の上を走ったのは、ほんの短期間であった。

利府から回送される715　1000番台。これから編成を整え、営業に入る直前の姿。

715はクロスシートに座れるかどうかで居住性にかなりの差があった。特にクハ715の機械室脇の通路はひどい物だ。途中駅から乗る時には、軽い緊張を感じた物だった。

激しさを増す春の雪に、１時間ももたなかった。この日撮った写真を見ると、485、455、417など、いずれもいわゆるオリジナル色の列車ばかり。赤系統が多かった東北本線で、グリーンライナーの緑は新時代の象徴であった。

86年から88年にかけて地色がクリーム色10号に変更された。過渡期にはこのような混色編成も見られた。JR東日本となったばかりの頃の姿である。帯上に小型のJRマークが見える。

JRとなった後も、特急車両の証である先頭部のJNRロゴを付けたまま走っていた。それも１年ちょっとの間だけ。順次取り外されてしまった。

グリーンライナーは福島、宮城地区の交流電化区間の顔になった。

全線電化開業を前にして最後の活躍をする阿武隈急行貸し出しのキハ２２との出会い。

全線電化開業の日に。

この年「The American Train」が全国を回った。仙台にもEF60 19 共々やってきた。この日はたまたま583も姿を見せた。

奥羽本線の改軌が始まるまで、福島-庭坂の区間運転は715が用いられていた。折り返しまでのひとときの休息。